株式会社シンクトゥギャザー (Thinktogether) は、群馬県桐生市に本社を置く電気自動車専門メーカー。バッテリー駆動の低速電動ミュニティビークル(グリーンスローモビリティ)を専門に製造・販売する。代表商品は小型電気バス「eCOM(イーコム)」シリーズである。

概要

2007年1月、群馬県太田市で株式会社シンクトゥギャザーを設立。2009年3月、電気自動車や自動運転車の研究を行っている地元の群馬大学「次世代EV研究会」に入会する。2010年より電気自動車の開発・製造を開始、同年中に小型電気自動車を完成させる。翌2011年9月には主力商品となる小型電気バス「eCOM-8」を完成させた。

2013年5月には創業地の太田市から現在地の桐生市へ本社を移転。会社設立10周年を迎えた2017年には「eCOM-8」より大型の「eCOM-10」を完成、翌2018年6月には「eCOM-8」を改良した「eCOM-82」を完成。

2019年11月27日に運行開始した東京都豊島区のコミュニティバス「IKEBUS」に「eCOM-10」が採用されたことで注目され、マスメディアでも取り上げられる。

自社製造の電気自動車の販売のほか、株式会社アクセス(本社:山梨県甲府市富竹4丁目4-14)の代理店として、電動オートバイ、電動トライク、電動車椅子などの販売も行っている。

沿革

  • 2007年1月 - 株式会社シンクトゥギャザー設立(群馬県太田市)。
  • 2009年3月 - 群馬大学次世代EV研究会に入会。
  • 2010年
    • 5月 - 電気自動車用パワートレインユニット開発。
    • 8月 - マイクロEV「TT1」完成。
    • 12月 - マイクロEV「μ-TT2」完成。
  • 2011年9月 - 「eCOM-8」完成。
  • 2013年5月 - 太田市から桐生市(現在地)へ本社を移転。
  • 2014年
    • 1月 - 観光地向け2人乗り低速EV「eCOM-mini」ベアシャーシ完成。
    • 12月 - 「eCOM-mini」トラック版「eCOM-mini TRUCK」ベアシャーシ完成。
  • 2015年
    • 1月 - 「eCOM-mini」本体完成。
    • 11月 - マイクロEV「TT1」と同タイプの研究用車両「NPRTT1」完成。
  • 2016年
    • 5月 - 「NPRTT1」の小型版「NPReCOM-mini」完成。
  • 2017年
    • 1月 - 会社設立10周年を迎える。
    • 3月 - 「eCOM-10」完成。
  • 2018年6月 - 「eCOM-82」完成。
  • 2019年
    • 8月 - 「IKEBUS」1号車を納車。
    • 10月 - 「IKEBUS」2 - 7号車を納車。
    • 11月27日 - 「IKEBUS」運行開始。
  • 2020年
    • 2月 - 「IKEBUS」8 - 10号車を納車、全車両を納車完了。
    • 3月 - 伊豆箱根バスに「eCOM-10」を納車。
  • 2021年
    • 1月 - 「eCOM-4」完成。
    • 4月 - 「eCOM-4」発売。

車種

eCOM

同社の主力商品であるeCOM(イーコム)シリーズは、低速(最高速度時速19km)で走行する電動バス。eCOM-8(イーコムエイト)の場合は、小型のインホイールモーターを搭載した8輪駆動、足回りへの負荷分散や低床化に適しており、6輪転舵により街中でもスムーズに曲がることができる。バッテリーは交換可能で家庭用100V電源で充電でき、満充電で約40kmの走行ができる。

  • eCOM-4 - 乗車定員7人のミニ低速電動バス。
  • eCOM-8 - 乗車定員10人の低速電動バス。
  • eCOM-8 (New) - 駆動力を大幅に増した新型のeCOM-8。
  • eCOM-82 - eCOM-8の改良型。
  • eCOM-10 - 乗車定員16人の低速電動バス。

導入実績

  • 株式会社桐生再生(群馬県桐生市) - eCOM-8を導入、桐生市観光周遊バス「MAYU」として使用。
  • 群馬県みなかみ町 - eCOM-8を導入。
  • DreamEDGE社(マレーシア) - eCOM-8を導入。
  • 日本ピストンリング - 研究開発用にTT1と同タイプの「NPRTT1」「NPReCOM-mini」を導入。
  • 真崎商店(長崎県五島市)- eCOM-miniTRUCKのシャーシを導入。
  • 宇奈月温泉「でんき宇奈月プロジェクト」(富山県黒部市) - eCOM-8を導入。
  • 群馬県富岡市 - eCOM-8を15台導入、上州富岡駅 - 富岡製糸場間のシャトルバスとして使用。
  • 群馬大学 - eCOM-10を導入。
  • 群馬県みどり市 - eCOM-8を16台導入、赤城駅 - 大間々駅間のシャトルバスとして使用。
  • IKEBUS(東京都豊島区/WILLER EXPRESS) - eCOM-10ベースの特注車両(水戸岡鋭治デザイン)を10台導入。
  • 福島県いわき市 - eCOM-82を導入。
  • 大分県由布市 - eCOM-82を導入。
  • 香川県琴平町 - eCOM-82を導入。
  • 伊豆箱根バス - eCOM-10を導入、沼津駅 - 沼津港間のシャトルバスとして使用。
  • 大分県大分市 - e-COM10を導入。
  • 富山県富山市 - eCOM-82ベースの特注車両を導入、富山駅 - 富岩運河環水公園間のシャトルバス「Boule BaaS(ブールバース)」(愛称:ビービー)として使用。
  • 宮崎県宮崎市 - eCOM-82を導入。
  • 千葉県四街道市 - eCOM-4を導入。
  • 茨城県日立市 - eCOM-82を導入、奥日立きららの里周遊バスとして使用。
  • 栃木県日光市 - eCOM-10を導入。
  • 岩手県陸前高田市 - eCOM-4を導入。

ギャラリー

脚注

関連項目

  • IKEBUS
  • 電気自動車 / 電気バス
  • グリーンスローモビリティ
  • 自動運転車

外部リンク

  • 株式会社シンクトゥギャザー
    • eCOMモビリティカタログ (PDF)
  • thinktogether (@tcom_jp) - X(旧Twitter)

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