ブルーノ・ファミン(Bruno Famin, 1963年 - )は、フランス出身の自動車技術者である。フランスの自動車メーカーであるアルピーヌ社でF1用エンジンの開発部門責任者を務めているほか、アルピーヌF1チームの暫定チーム代表を務めている(2023年8月時点)。
経歴
フランス国立高等工芸学校(ENTAM)で工学の学位を取得。卒業後の1987年にフランスの海運会社(SCAC Transport International)に入社し、ナイジェリアでロジスティクス関係の仕事に就いた。同社で2年間働いた後、フランスに戻って国立高等石油・天然ガス学校で学んだ。
プジョー
1989年にプジョー・タルボ・スポールにエンジニアとして加入し、エンジン・トランスミッション部門の研究開発に携わった後、カスタマーレーシング部門の開発チームの責任者となる。この間、905のシングルシーター仕様である905スパイダーや、ラリー車両のプジョー・106(グループA)といった車両の開発に携わった。
1994年にレース部門を離れ、親会社であるPSA・プジョー・シトロエンに移った。同社ではアルゼンチンに赴任し、同地の工場の車両製造工程などを管理する部門の責任者を務める。その後、2001年にフランスの研究開発部門に移る。
2005年にプジョー・スポールに復帰し、開発部門の責任者であるテクニカルディレクターに就任し、この間、特にプジョー・908 HDi FAPの開発プロジェクトをその初期から指揮した。
2012年にオリビエ・ケネルの跡を受けてプジョー・スポール全体の責任者となる。この時期のプジョーは耐久レースへの参戦打ち切り(2011年限り)と908の開発終了によりサーキットレースからは離れていたが、ファミンに率いられたプジョー・スポールは、パイクスピーク・ヒルクライムレースにおける優勝(2013年。ドライバーはセバスチャン・ローブ)、世界ラリークロス選手権におけるチームチャンピオン獲得(2015年)、ダカール・ラリー優勝(2016年から2018年にかけて連覇)といった様々な実績を残した。
FIA
2019年初めにプジョー・スポールを離れ、国際自動車連盟(FIA)の競技部門のオペレーションディレクターに就任し、2021年には競技部門の副事務総長に就任した。
アルピーヌ
2022年2月にフランスのアルピーヌ・レーシング社(Alpine Racing SAS)に移り、パワーユニット開発の責任者(エグゼクティブディレクター)となる。同社は「ルノー」名義でアルピーヌF1チームにパワーユニットを供給している。
2023年7月、アルピーヌの親会社であるルノーはアルピーヌのF1活動における人事の刷新を図り、ファミンにもその影響が及ぶことになる。まず、7月10日にファミンは親会社であるアルピーヌ社のモータースポーツ担当副社長に任命され、同社CEOであるローラン・ロッシの直属となり、同社の経営委員会メンバーに加わることになった。この人事により、ファミンは同社のあらゆるモータースポーツ分野で指揮を執る立場となる。
次いで、7月20日にはロッシがCEOを退任し、7月28日にはチーム代表のオトマー・サフナウアー、スポーティングディレクターのアラン・パーメイン、チーフテクニカルオフィサー(開発部門の責任者)のパット・フライというチームの要職にあった3名が離脱した。これに伴い、ファミンはエンジン部門の責任者は兼務したまま、暫定チーム代表に就任することになった。
脚注
注釈
出典
参考資料
- 雑誌 / ムック
- 『F1速報』(NCID BB22714872)
- 『2023年 第12戦 ハンガリーGP & 第13戦 ベルギーGP合併号』三栄、2023年6月10日。ASIN B0BD46HMVF。ASB:FSH20230803。
外部リンク
- Bruno Famin - Linkedin (英語)
- Bruno Famin - アルピーヌによる紹介のアーカイブ(英語)



