和様建築(わようけんちく)とは、鎌倉時代に中国から伝わった建築様式(大仏様、禅宗様)に対して、それまで日本で寺院建築に用いられてきた寺院建築の様式を指す。単に和様(わよう)とも呼ばれた場合には和様建築のことを指す場合もある。

概要

もともと寺院建築の様式は中国から伝わってきたものであるが、平安時代の国風文化の時代に日本人好みに洗練されていった。大寺院では規模の大きな仏堂もあるが、住宅風に柱を細く、天井を低めにした穏やかな空間の仏堂も造られた。鎌倉時代に中国から新たな様式が伝わってくると、従来の様式との違いが意識されるようになり、やがて和様という言葉が生まれた。

中世においては、禅宗寺院では禅宗様、密教寺院には和様(一部に大仏様を取り入れた折衷様)と宗派と建築様式の区分もあったが、近世に入ると様式の折衷化が進み、密教寺院に一部禅宗様の要素が取り入れられることもあった。

和様の特徴

  • 柱の上部同士を補強するため、長押を打つ
  • 組物の間に蟇股(かえるまた)または間斗束(けんとづか)という部材を置く
  • 柱は太く、天井を低めにしたものが多い
  • 床を張り、縁側を造る
  • 床下に亀腹を築く

代表的な建造物

  • 平等院鳳凰堂
  • 室生寺五重塔
  • 當麻寺本堂
  • 浄瑠璃寺本堂
  • 金剛峯寺不動堂
  • 延暦寺根本中堂
  • 富貴寺大堂
  • 興福寺北円堂
  • 一乗寺三重塔

参考文献

  • 『週刊朝日百科 日本の国宝』7号、朝日新聞社、1997(霊山寺)
  • 『週刊朝日百科 日本の国宝』80号、朝日新聞社、1997(西明寺、長寿寺)
  • 『週刊朝日百科 日本の国宝』84号、朝日新聞社、1997(明通寺)

関連項目

  • 和様
  • 建築史
  • 日本建築史

伝統の和の建築 茨城/栃木/千葉で和の注文住宅ならノーブルホームの「粋」

和様建築 Wayō JapaneseClass.jp

石垣の基壇に立つ長命寺本堂、軒先の反りが特徴的。建築様式は和様。長命寺西国三十三箇所 西国三十一番札所 重要文化財近江八幡

和様建築 Wayō JapaneseClass.jp

日本の伝統「和」の建築 茨城/栃木/千葉で和の注文住宅ならノーブルホームの「粋」