アメリカ合衆国海軍兵学校(英語: United States Naval Academy、USNA)は、アメリカ海軍及びアメリカ海兵隊の士官学校。アメリカ海軍作戦部長直轄。1845年設立。所在地は、メリーランド州アナポリス。通称:アナポリス(Annapolis)。

概要

1845年設立。アナポリスには1850年に移転してきている。海軍兵学校が創設される以前はアメリカ陸軍の駐屯地であった。従来、海軍士官の養成は艦艇乗り組みの洋上勤務を通じて行われており、陸上に学校を設けて士官教育をするようになったのは、世界でも本校が最初である。南北戦争時には、一時ロードアイランド州のニューポートに移転したが、1865年にはアナポリスに戻っている(海軍大学校は今もニューポートに本拠を置く)。

入学可能年齢は17歳から23歳までで、未婚者であること等の条件がある。設立当初は男性のみの学校であったが、1976年以降は女性の入校も認めている。兵学校の生徒(学生)はMidshipman(ミジップマン、士官候補生の意)と呼ばれ、4年間の教育課程を経て卒業すると少尉に任官する。大半はアメリカ海軍または海兵隊で少なくとも5年間勤務するが、陸軍、空軍、沿岸警備隊に入隊することも可能。外国の留学生もおり、彼らは卒業後母国の国軍に入隊する。

海上自衛隊からは、1等海佐と3等海佐が1名ずつ連絡官として派遣されており、教官として勤務している。逆にアメリカ海軍からも大尉または少佐が1名、広島県江田島の海上自衛隊幹部候補生学校に派遣されており、同様に教官として勤務している。

スポーツ

海軍兵学校のスポーツチームは、ネイビー・ミッドシップメンと呼ばれている。

主な卒業生

軍人

  • フレデリック・アッシュワース - 海軍中将、長崎に原子爆弾を投下した爆撃機B-29ボックスカーの将校搭乗者
  • マナート・L・エベール
  • リチャード・オカーン
  • エリック・オルソン
  • アイザック・C・キッド
  • アーネスト・キング
  • トーマス・C・キンケイド
  • ハズバンド・キンメル
  • ロバート・クーンツ
  • フランク・ケルソー2世
  • ジョン・サッチ
  • フォレスト・シャーマン
  • ジェイ・L・ジョンソン
  • ハロルド・スターク
  • ジェームズ・ストックデール
  • レイモンド・スプルーアンス
  • クリフトン・スプレイグ
  • エルモ・ズムウォルト・ジュニア
  • リッチモンド・K・ターナー
  • ジョージ・デューイ
  • サミュエル・D・ディーレイ
  • ルイス・デンフェルド
  • カーライル・トロスト
  • チェスター・ニミッツ
  • チェスター・W・ニミッツ・ジュニア
  • オリバー・ノース
  • アーレイ・バーク
  • ウィリアム・パイ
  • ウィリアム・ハルゼー
  • フランク・F・フレッチャー
  • フランク・J・フレッチャー
  • ウィリス・A・リー
  • ピーター・ペース
  • トーマス・ヘイワード
  • オリバー・ハザード・ペリー
  • ウィリアム・シェパード・ベンソン
  • ジェームズ・ホロウェイ3世
  • デヴィッド・マクドナルド
  • チャールズ・B・マクベイ3世
  • クラレンス・マクラスキー
  • ジョン・S・マケイン・シニア
  • ジョン・S・マケイン・ジュニア
  • マーク・ミッチャー
  • マイケル・マレン
  • ヘンリー・T・メイヨー
  • ハリー・B・ハリス・ジュニア
  • ダドリー・W・モートン
  • トーマス・モーラー
  • アーサー・W・ラドフォード
  • ゲイリー・ラフヘッド
  • ウィリアム・リーヒ
  • ハイマン・G・リッコーヴァー

政治家

  • リチャード・アーミテージ - アメリカ合衆国 第13代国務副長官、ジャパンハンドラー
  • ジョン・ウィンゲイト・ウィークス
  • チャールズ・ネスビット・ウィルソン
  • カーティス・ウィルバー
  • ジミー・カーター - 第39代アメリカ合衆国大統領
  • ジェイムズ・アンドリュー・ケリー
  • アンソニー・プリンシピ
  • ロス・ペロー
  • ジェームズ・ワトキンス
  • ジム・ウェッブ

宇宙飛行士

  • ジェームズ・アーウィン
  • ウィリアム・アンダース
  • アラン・シェパード
  • ウォルター・シラー
  • ジム・ラヴェル
  • リサ・ノワック

学界

  • ウィリアム・A・ウィリアムズ - 歴史家
  • アラン・ヘール - 天文学者
  • アルバート・マイケルソン - 物理学者

その他

  • ジョセフ・ウェーバー - メリーランド大学カレッジパーク校物理学名誉教授
  • ロジャー・ストーバック - アメリカンフットボール選手
  • フランク・スプレイグ - 発明家
  • アルフレッド・セイヤー・マハン - 海洋戦略の古典的理論家、『海上権力史論』の著者
  • リチャード・バード - 探検家
  • ロバート・A・ハインライン - SF作家
  • バックミンスター・フラー - 思想家、デザイナー、発明家
  • デビッド・ロビンソン - バスケットボール選手

日本人

日本人学生の受け入れは、1868年に日本人6人までの入学を許可する法案が米国議会の下院・上院を通過し、翌1869年より開始した。以下、中途退学者を含む入学者。

  • 横井佐平太(横井太平の兄) - 1869年入学、1871年中途退学
  • 松村淳蔵 - 1869年入学、1873年卒業
  • 華頂宮博経親王 - 1872年入学、同年帰国
  • 国友次郎(のち海軍大佐) - 1872年入学
  • 有馬幹太郎(有馬新七の子) - 1874年入学
  • 南部英麿 - 1874年入学
  • 瓜生外吉 - 1877年入学、1881年卒業
  • 世良田亮(のち海軍少将) - 1877年入学
  • 井上良智 - 1877年入学
  • 湯地定監 - 1878年入学
  • 仁礼景一(仁礼景範長男) - 1887年入学
  • 高崎元彦(高崎正風長男) - 1891年入学
  • 田村丕顕 - 1896年入学、1900年卒業(日本人7人目の卒業生)
  • 北垣旭(北垣国道三男) - 1905年入学
  • 松方金次郎(松方正義十一男) - 1906年入学、同年没
  • 北川敬三(海上自衛隊幹部学校防衛戦略教育研究部長 1等海佐) - 1993年卒業(日本人8人目の卒業生)

脚注

関連項目

  • 海軍兵学校
  • 陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)
  • 空軍士官学校 (アメリカ合衆国)
  • 沿岸警備隊士官学校 (アメリカ合衆国)
  • ジェームズ・ポーク - 海軍士官学校開設を監督。

外部リンク

  • The United States Naval Academy(英語版)

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